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INTERVIEW

協会とは?

 株式会社ゼロイチフィクサーズ 代表取締役 八木宏一郎氏 
一般社団法人日本唐揚協会 専務理事)

 

「新しいビジネスに挑戦したい」、「自分の好きなことで、ビジネスをしたい」 「自己表現をして生きていきたい」 これらを実現することは決して簡単ではありませんが、ソーシャルメディアの台頭等により、その選択肢はますます増加しているといえます。その中の1つが、「協会」という起業のカタチ。 日本において、協会といわれる公益・一般社団法人の数は17,000※を超え、今もなおその勢いは増しています。特に近年は、自分のやりたいコト・得意領域をカタチにする新しい協会が増加しています。その新興協会の代表的な存在が「日本唐揚協会」。2008年の設立以来、唐揚げマニアの集団が、唐揚げに関する様々な企みを成功させてきました。 一方で、全ての協会が成功しているとは言えない状況があることもまた事実です。成功する協会と失敗する協会の違いは何か?そもそも、協会という方法を選択するメリットとは?

「日本唐揚協会」の専務理事をつとめ、さらに数多くの協会の理事や顧問を務める、協会ビジネスのパイオニア的存在の1人・協会プロデューサー八木宏一郎氏が、協会を成功させるノウハウを明かします。

※出展:公益法人『新公益法人制度における全国申請状況』(内閣府公益認定等委員会、2011年12月)

 

 

「協会」という選択をすること

私自身、無類の唐揚げ好きだったため、「唐揚評論家」のような個人の専門家として活動する選択もありましたが、「唐揚げが好き」という同じ思いを持った人々が集まることができるプラットホームが欲しいと考えました。全国のおいしい唐揚店の情報を一人で集めるのは難しいです。さらに、シェアの時代だからこそ、自分と同じ嗜好・感度の人が集まった方が、きっと楽しくなる!

そう確信し、唐揚げ好きの集団を作る決断をしました。 次に考えたのは、どんな形態の集団を作るか?ということ。

 

 

唐揚げに関するあらゆる情報を集め、キュレーションし、シェアをしていく、という活動方針において、情報に対する公共性・社会性は重要です。そのために、一般社団法人あるいは、一般財団法人とすることが最適だと考えています。

もちろん、一般社団法人化せずに協会を設立することも可能ですが法人化しないことのデメリットも多いと考えています。1つは、同名で法人格を取得した場合と比較して、対外的な信頼が得にくくなり、盛りあげに非常に苦労する可能性があります。 2つ目は、法人格のない協会に関する収支は全て個人所得になってしまう場合があるのもデメリットです。個人でやっている組織に企業や有力者は集まってきません。仕事として協会をつくるのであれば、例えば、その領域におけるリーディングカンパニーにスポンサーになってもらうためにも、法人化の検討をおすすめします。

 

ステップ1:協会の「テーマ設定」「エリア」は慎重に!

ジャンルやテーマ設定については、「仲間が集まりやすいかどうか」がポイントです。深すぎると広がりがなさ過ぎますし、かといって広すぎると、既に別で協会が存在したり、そのテーマ内での好き嫌いも発生したりしてかえって活動自体がしづらいということがあります。例えば唐揚げなら、食事の種類で分類すると、和食→おかず→揚げ物→唐揚げというジャンル分けになりますし、 原材料から見ると、鶏肉→唐揚げという形になります。食べ物の場合、唐揚のような副菜は、他の食材や料理とくっつきやすいレベル感がベストです。ただ、主食のようなものは、1日に1食が限界なので、丼とかカレーのようなもう一つ上の階層でも成立します。

 

 

食べ物以外でも同様のことが言えます。私が顧問を務めている「日本ふんどし協会」の場合だと、ふんどしはファッションというジャンルにも入りますし、下着というジャンルでも成立します。共通して言えるのは、自分たちが所属するジャンルの中にいる競合と比較したときに、発信できる・本領が発揮できる情報がどれだけ集められるかが重要になってきます。 そこを検討した上でテーマを設定してもらいたいです。

 

 

次に、団体を作る上で重要になるのは、エリアの選び方です。言い回しの世界にはなりますが、どこまで自分の力量で広げられるか、名前でエリアを表現するというのが協会づくりの第一歩になると考えています。私の場合は、オフィスが渋谷にあったので、「渋谷唐揚協会」、「東京唐揚連盟」という名前にしても良かったのですが、先ほども申しあげたように、もっと新しいお店や情報がほしいとなった時に仲間を募ったり、集える場所を設ける必要がありました。そこで、「渋谷~」だとそのエリアの人たちしか集まることができないと思い、日本を背負うという意味も込め、「日本唐揚協会」としました。ただし、これは名前の問題なので、中途半端な活動であれば、「全国~」とか、「全日本~」というように同じような枠組みの協会が出てきてしまうと思うので、名前をつけたらいいというものでもありません。

 

ステップ2:業界の第一人者を見つけ、他からの参入障壁を作り上げる

協会のテーマやエリアを決めたら、次は常にファンがいる人を何人集められるかが重要です。その中でも特に重要なのが、自分の作りたい団体や協会のテーマの第一人者を捕まえることです。もちろん、自分自身がその存在である場合には問題ありません。日本唐揚協会の場合は、安久会長でした。その世界の第一人者はインフルエンサーでもあるため、ナチュラルに情報が発信されて、そこに人が集まるはずです。ただし、会長とかにする必要はありません。関係者として巻き込むか、その団体のことを認めてもらえばOKです。

ポイントは参入障壁が作れるかどうか、これに尽きます。第一人者を捕まえておくだけで、参入障壁が出来上がります。逆にそうでない場合、自分たちの活動が中途半端だった時に、本当の第一人者が活動の根底をひっくり返してきます。

 

ステップ3:定義の再構築により、業界の基準を創る!

息の長い協会にするためにすべきもう一つのことは、これまでのテーマに対する評価方法や判断基準を変えることです。これを私は、「定義の再構築」と呼んでいます。唐揚げのようなグルメをテーマとした場合、これまで「おいしい・まずい」や「知ってる・知らない」の二択でしか評価されることはありませんでした。この単純な2択から、「何がどう美味しいのか」を細分化し、わかりやすい言葉で表現することで定義は再構築されます。これができると、会員同士の共通言語を生み出すことができます。これが、業界のスタンダードを創り上げることにつながり、業界における権威性を取得することに繋がります。

 

 

協会の価値を向上し続けるためには人材の確保と考え続けることが必要!

24時間その事に関して考えることができる、これは協会を成功させる絶対条件です。時間を割けということではなく、考え続けられるかどうかということです。それができる人は、協会づくりにチャレンジしたらいいと思います。週末起業で協会づくりを考えている人は再検討が必要かもしれません。

そして、情報に対して貪欲であること。テーマのトレンドや旬をキャッチするにはスピードが求められます。最新情報やオススメ情報に常に敏感であること、そして、それを発信することに対して意欲的であってほしいです。 さらに、情報が溢れている中で、情報の精査・フィルタリングを積極的に行っていく、情報整理能力に長けているのが協会人であると考えています。そこで、「おいしい・まずい」以外に評価指標や判断基準をもって協会が発信していく必要があります。

協会運営において、忘れがちなことは、1つは人材の確保。先ほどの設立時に第一人者を巻き込む以外でもビジネスとして成立させるために必要な人材を確保する必要があります。特に囲っておきたい人材はWEB系人材。協会活動において、WEBでの情報発信は必須です。WEBサイトを作ることができる人やデザインができる人、SNSに詳しい人が協会内に一人いるととても心強いです。できる人がいなければ、外注でも構いません。 ただし、すべて外注の場合はどうしても情報スピードが落ちてしまうというデメリットも存在します。最低限として、「記事を作る・更新する」くらいの技術は協会の人も習得しておく必要はあるでしょう。

WEB系人材と同じように必要なのが、財務や税務など会計知識に長けている人です。先述の通り、一般社団法人は株式会社と税法的には変わりはないため、一般社団法人の設立は起業とほぼ同じ。財務や税務の会計知識がないと2年目がないと思った方がいいでしょう。これも自らで勉強したり、会計士などとパートナーを組むなどして相談できる窓口を確保してほしいです。

 

 

協会ブームの火付け役から未来の協会人へ・・・

世の中は情報で溢れ返っています。情報は増える一方ですが、人間の情報処理能力は、100年前からなんら変わっていないと思っています。ITは進化しても、人間の情報処理能力は成長していない。情報の整理と自分の欲しい情報への誘導を担ってくれる存在が必要だと思います。それは、広く浅く知っている存在ではなく、ある特定のモノについて詳しい専門家や評論家たち。彼らはいわばその世界の案内人です。彼らが持つ専門性や影響力に大きな需要があります。それらの集合体として協会に注目が集まっているのではないでしょうか。

共有・シェアの時代において、自分だけが楽しむよりも同じ感度の人が集まった方が楽しくなるものです。そのカテゴリの情報を求めている人は多いけれども、世の中的にカテゴライズできていないテーマはまだたくさんあるはずです。美味しかったらシェアして、新しいお店を見つけたらみんなで共有して、評価したらいい。日本唐揚協会が主催している、からあげグランプリやからあげカーニバルも、カラアゲニストたちが美味しいと思ったお店が集まっています。そういったことができる場所を提供しているのが協会です。協会が美味しいと思っているから集めているわけではないし、表彰しているわけではありません。自分だけで楽しんだり背負ったりせずに同志を巻き込むことができる世界を作り上げていってください。

 

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